音読と黙読学習の実践において学習者の内容理解に見られる変化に生じる相違

人文学フォーラム

第16号

本研究では、初級学習者が音読あるいは黙読学習を実践した場合、それぞれの方法による英文内容理解にどのような変化が見られるのかを、学習者の体験プロセスをたどりながら明らかにした。対象者が実践中に記録したジャーナル、および実践後に実施した質問紙調査とインタビューのデータを、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ（Modified Grounded Theory Approach, M-GTA) の方法を用いて質的に分析した。結果に基づいて音読と黙読における変化の違いを考察し、読解力育成に貢献する学習方法としての可能性を考えた。これにより音読には、語順通りに読み進むことへの気づきを促し、直読直解の習得を促進する方法としての音読の可能性を確認できた。