本論文は、第二言語教育における中国語教育のなかで、習得が難しいとされている中国語可能表現の教学指導について、教科書の記述事項(文法ポイントとしての解説及び例文の提示を中心とする)の角度からアプローチする。日本で刊行された4冊の教科書の関連内容と、英語圏教科書(アメリカでは入手した67冊から2冊、ニュージーランドでは入手した4冊から2冊)の関連内容を比較して考察した結果、文法ポイントの解説内容や例文の提示方法などの違い、また日本の教科書作成に応用可能な点などを明らかにした。そこで、第二言語教育の基本目標に沿い、上記の応用可能な点を取り入れた教科書作成をすることで、日本における中国語教育の質向上に一定の効果が見込まれると考える。