本研究では、大学生における進路選択セルフ・エフィカシーに着目し、主として
①セルフ・エフィカシーに影響を及ぼす情報源に基づいた介入研究、および②セルフ・エフィカシーの情報源における測定・評価方法、について概観した。その結果、大学生の進路選択SEの向上を意図した情報源への介入研究はこれまで多様なものが報告されているが、その効果は未だ一貫していないことが明らかとなった。また、情報源を測定・評価するための尺度もいくつか開発されているが、測定対象や定量化できる情報源の種類が限局的であることなどが示唆された。このような課題を踏まえ、今後の研究において必要と考えられる要素について、各情報源における内容的・概念的異同の明確化や、サブグループの特性に合わせた介入内容のターゲット化、およびメッセージフレーミングをはじめとする他者資源の積極的活用などを挙げ考察した。