産業心理臨床におけるブリーフサイコセラピーの貢献可能性:テーマ選択と治療的会話に着目して
ブリーフサイコセラピー研究27巻2号
日本ブリーフサイコセラピー学会
本報告では産業心理臨床におけるブリーフサイコセラピーの貢献可能性について検討 した。職場不適応と抑うつに悩む,30歳代男性との8回の面接について紹介した。面接 は,職場の問題や精神症状ではなく,職場以外での行動習慣の変容について焦点を当 てて進められた。最後に,1)クライエントや職場の状況に応じてテーマを選択するこ と,2)治療的会話によりクライエントのリソースを生かすこと,3)産業心理臨床にお けるブリーフサイコセラピーの貢献可能性の観点から考察をおこなった。