本研究では,セルフ・エフィカシーおよびメッセージフレーミングの関連に焦点を当て,両変数を扱った先行研究を整理・概観した。該当する研究論文の数は多くないものの,これらの関連について重要な示唆がいくつか見出された。具体的には,メッセージフレーミングによる効果の程度をセルフ・エフィカシーが調整すること,またターゲットとした行動の促進へと結びつける媒介効果を持つことが明らかになった。これらの知見は,従来ターゲットとする行動の特徴に応じてメッセージフレーミングを検討していた傾向から,個人におけるSEの程度によってメッセージを柔軟に使い分けるなど,新たな工夫を施すことを可能にする。