本研究では、筆者らが20年に亘り行ってきた「グループ体験をしながら、グループ事例を検討する会」(Y会)の実践(G-G法)を振り返った。Y会の方法論の意義として、(1)感性の賦活化、(2)積極的参加の促進、(3)ピアサポートの機能が指摘された。また、自主的な事例検討会の工夫について、リーダーとコアメンバーからなるY会の構造を示し、(1)広報の対象を既知の人間に限定していること、(2)リーダーとコアメンバーが自らの権威性について常に自覚的であること、(3)複数のコアメンバーで運営の負担を分け持っていること、(4)根底には人を尊重する姿勢があることが指摘された。
著者:板東充彦、松元知美、足立友理、藤井君子、本山智敬、髙松真理(共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)