公開研究会のディスカッションをまとめたものである。ベトナム戦争によるコミュニティの分断と回復の道のりに関する坪井善明先生の講話を受けて、飯嶋は文化人類学の立場から、多重的にトラウマを抱えるベトナムに関わる際のスケール感を尋ねた。髙橋は臨床心理学の立場から、家族に潜む暴力性と、ベトナムにおける「恨み」の対処について尋ねた。これに対し、講師は次の応答をした。「ミクロに現場で問題処理ができること、マクロに20~30年後の社会・人間を構想できることが共に大事」「共に食事を楽しむなど、関わりの原点を忘れないこと」「その人を激しい政治的行為にまで追い詰めた要因を丁寧にフォローすること」
著者:板東充彦、坪井善明、飯嶋秀治、髙橋紀子(共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)