社会学分野を中心に蓄積されてきたコミュニティ研究の概観を通して、臨床心理学的コミュニティ・アセスメントの視点を得ることを目的とした。アソシエーション、コミュニタリアニズム、コムニタス等の概念を踏まえて文献を概観し、下記5点を提示した。(1)生活基盤としてのコミュニティと目的志向のアソシエーションとの並存。(2)コミュニティに存在する“共通のもの”(≒共通善)の認識。(3)言語的コミュニケーションの外部にある、貨幣や権力が統制する“システム”の存在。(4)生き物としてのコミュニティの動的側面と創造性。(5)コミュニティ成員の対等性。本研究は、2020年度跡見学園女子大学特別研究助成を得て行われた。
<共同研究者>
板東充彦・飯嶋秀治・髙橋紀子