3年余りのコロナ禍は企業行動にも大きな影響を及ぼしたが、その結果、企業のバランスシートはどのように変化したのかを法人企業統計を用いて調査を行うもの。調査結果によると、大企業・中堅企業セグメントはバランスシートが良化しており、雇用も増やすなど、コロナ禍に得られた資金繰り支援について有効に使われていることが示唆される。他方、零細企業はバランスシートが悪化しておりコロナ関連融資等により得られた借入は過剰債務となっている。本稿では、この状態に陥った要因を、ソフトな予算制約を通じた資金供給が主因ではないかとの示唆を提示する