サステナビリティ情報開示に関する実施状況調査 ―TCFD枠組みによる推奨開示項目を中心に―
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要
第37号
本調査では、サステナビリティ情報開示拡充の最初の決算期である2023年3月期の東証PRIME市場に上場する食品セクター44社の開示状況を精査し、個別項目ごとの開示状況を明らかにした。調査結果によると、開示項目により開示状況の濃淡があり、とりわけ「戦略」における「短期・中期・長期におけるリスクと機会」、「目標と指標」における「スコープ3」の開示状況が著しく劣っていた。さらに、より多くの項目を開示できている企業は企業規模が大きく、時価総額が大きな企業であるとする仮説を得た。