子どもの読書冊数と不読率のグラフから読書状況の変化を確認し,読書活動に関係のある法律・施策の施行とその内容を確認した結果,「子どもの読書活動の推進に関する法律」の施行とそれに付随する「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の施行により,読書離れの改善に効果があったことが示唆された.ウェブ調査の結果からは,読書量と公共図書館利用頻度には有意な正の相関関係があることが分かり,また読書量と各種の図書館サービス(10種類)全てとの間に有意な正の相関関係が見られた.サービスには,直接読書と関係のないと思われるものも含まれており,読書量が多いと図書館の様々なサービスをよく利用する傾向があることが考えられる.今後は「読書目的の利用者には貸出サービスの充実を」というように対象者を限定しすぎないサービス提供のあり方も検討することができるだろう.