これまでに国内や海外で行われた公共図書館に関するアンケート調査と分析の事例をレビューした。具体的には,国内を中心としながら海外にも目を向け,公共図書館に関する調査研究や分析の事例のうち,代表的なものや注目すべきものを取り上げた。また,潜在利用者を含むサービス提供の視点から,非来館者の住民を含むような調査を中心に取り上げて論じた。検討の結果,実施の背景には国や自治体,図書館協会等の課題が存在する場合が多いこと,また,社会全体の情報収集の動きに関連して着想されることが分かった。また,いつの時代でも変わらない質問項目と,その時々で変化の必要な項目の存在も明確となった。今後は,さらにビックデータの活用が期待される。