本研究では、仏語ならびに日本語を母語とする英語学習者を対象に、容認性判断実験、産出実験、反応時間測定実験を行い、移動を含む構文(wh疑問文、関係節、受動文)下での前置詞脱落(例:I was laughed *(at) by them)の原因を調査した。その結果をもとに、この誤りの原因は、先行研究で提案されている「音のない前置詞の使用」だけでなく、「学習者の母語」と「格の分布」にもあると論じた。さらに、これら3つの原因は互いに無関係ではなく、学習者の文法における前置詞の性質から導き出されると提案した。