著者:穂苅友洋,澁谷真由美,若林茂則
学習者コーパスを用いて,日本語母語話者によるofと-’s属格の使用状況を調査した。調査の結果,ofの産出数は英語の熟達度に応じて飛躍的に増加するが,-’s属格にはそのような増加が見られなかった。一方,両者の使用には共通して,日本語の「の」を転移させたと見られる誤りも見られた。さらに,派生名詞と一緒に使用されたofと-'s属格(例:the enemy’s destruction of the city)の産出状況を見たところ,日本語母語話者は,ofの後には対象名詞を置き,-’s属格の前には動作主名詞を置く傾向があった。(本人担当:データ収集・分析ならびに論文執筆(全節:P.175~P.202)を行った。なお,第2著者にはデータの確認作業を手伝ってもらい,第3著者には論文に対する助言を求めた。)