Corder(1967)以来、膨大な量の第二言語習得研究が行われ、第二言語習得の仕組みに関してさまざまな「事実」が明らかになってきているが、依然として、第二言語習得については、「事実」とはかけ離れた「非常識」(白畑ほか、2004)や「神話(Myths)」(Brown & Larson-Hall, 2012)が当たり前のように受け入れられている分野である。本稿では、「学習時間」、「年齢(と言語習得)」、「誤り(の原因)」の3つを取り上げ、英語を第二言語とする学習者がこれらに対して「思い込んでいる」ことと、第二言語習得研究が明らかにしてきた「事実」のズレをアンケート調査結果をもとに明らかにし、そのうえで、第二言語習得研究の成果を第二言語学習者に教授することの意義について論じた。