第二言語習得研究において「判断タスク」はデータ収集法として従来より盛んに用いられてきたが、近年では明示的知識の関与の可能性などから、判断タスクは徐々に別のデータ収集法に取って変わられつつある。本研究では、依然として判断タスクがなければ得られないデータがあることを、2つの既存の研究(Hokari, 2015; 竹田, 2021)結果をもとに指摘し、そのうえで、これまであまり議論されてこなかった「第二言語学習者は、非文法的な文であっても、現在の発達段階や状況下で利用可能な文法知識・文法操作を駆使して、なんとかこれを処理しようとする」という第二言語の性質を論じる。