著者:穂苅友洋,若林茂則
本研究では,日本語を母語とする英語学習者を対象に,wh疑問文と受動文における前置詞脱落(例:Who did they laugh *(at)? / I was laughed *(at) by them)の出現頻度と出現パターンを調査した。その結果,前置詞は受動文でより脱落しやすくなることに加え,「wh疑問文で前置詞を脱落させる学習者は,受動文でもほぼ必ず前置詞を脱落させるが,その逆は成り立たない」という構文間での前置詞脱落の関係が判明した。この結果から,前置詞脱落の原因には,wh疑問文と受動文に共通するものと,受動文だけに関係するものの2つがあると結論づけた。(本人担当:実験の実施,論文作成(全節:P.35~P.45)に関わる全工程を担当し,共著者には論文に対する助言を求めた。)