学術論文

基本情報

氏名 松井 理恵
氏名(カナ) マツイ リエ
氏名(英語) matsui rie
所属 観光コミュニティ学部まちづくり学科
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

植民地朝鮮とは何か −森崎和江『慶州は母の呼び声』をテキストとして

単著、共著の別

単著

年月日

2019/01

発行所等

社会理論・動態研究所『理論と動態』

出版社

巻・号

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査読の有無

概要

本稿の目的は、森崎和江『慶州は母の呼び声』をテキストとして、植民地朝鮮を理解することである。森崎和江は『慶州は母の呼び声』の執筆を通じて、彼女の創作活動の核となる「植民二世」という自称を得た。森崎和江において「植民二世」とは、「連帯」と「侵略」を同時に生きた者として位置づけられる。表裏一体の「連帯」と「侵略」を分析するため、本稿では酒井直樹の帝国的国民主義という概念を用いた。一方、『慶州は母の呼び声』は「異質さの発見と承認」の物語でもある。朝鮮を実体化せず、出会ったままの姿で伝えようとする森崎和江の筆致は、特殊主義に回収されることなく朝鮮と対話する通路が、植民地朝鮮にかろうじて存在していたことを示す。