方法としての「朝鮮」ー森崎和江におけるインターセクショナリティ
広島部落解放研究所紀要『部落解放研究』
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本稿は、近年のフェミニズム研究において言及されるインターセクショナリティという概念を手がかりとして、森崎和江の作品を読み解くものである。幼少期を植民地朝鮮で過ごした経験が、社会的抑圧を捉える視座に大きな影響を与えたこと、さらにインターセクショナリティをめぐる議論に対して森崎の思想から得られるサジェスチョンを示した。