pp.31-39
本研究の目的は,高校中退の高リスク群をスクリーニングするためのテストを開発することであった。まず,先行研究を参考に47項目を採集し,高校生を対象に質問紙調査を実施した。また,各校の教員に生徒のその後の登校状況について回答を求めた。項目分析と因子分析の結果,6因子35項目で構成される尺度を作成し,「高校中退リスク評価尺度(RAS-HD:Risk Assessment Scale for High School Dropout)」と命名した。また,分析の結果,高い信頼性を有していることが確認された。さらに,RAS-HD得点を説明変数,その後の登校状況を従属変数としたROC曲線の分析から,高校中退予防のためのスクリーニング・テストとして最適なカットオフ値を算出した。最後に,今後の課題について考察した。