本研究の目的は,高校中退の高リスク群をスクリーニングするためのテストである「高校中退リスク評価尺度(RAS-HD:Risk Assessment Scale for High School Dropout )」に関して,①標準化すること,②妥当性を検討すること,③下位尺度間の分析から高校中退リスクに対するソーシャルサポートの影響を検討することであった。まず,RAS-HDを3,304名の生徒を対象に実施し,標準化の手続きを行った。次に,年度末の登校状況との関連から,RAS-HDが高校中退について高い予測的妥当性を有していることが確認された。最後に,高校中退リスクに対するソーシャルサポートの影響を検討し,高校がどのように介入することが効果的であるのかについて考察した。