特別支援教育が充実する中で、通級を利用できない生徒の実態や発達障害等の二次障害による精神障害の発症や副次的な悩みの顕在化など教育相談的な視点に基づいた多角的なサポート体制の構築が急務となっている。
本論文では、高等学校の教育相談体制に焦点を当て、①教育相談の歴史的変遷、②チーム学校としての対応、③生徒指導・特別支援教育との関連性の3 点について、国内で発表されている論文および自治体で発行している報告書を概観・考察することを目的とする。
教育相談の歴史的変遷は、教育相談および学校教育相談の成立過程、教育相談の定義、高等学校における教育相談研究について概観した。チーム学校としての対応は、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについて概観した。生徒指導・特別支援教育との関連性は、生徒指導と教育相談、特別支援教育と教育相談を概観した。