本研究は,公認心理師養成課程における学部科目「心理実習」において,学生が実習体験を通じて何を学んでいるのかを,実習形態・実習機関の違いという文脈に着目して明らかにすることを目的とした。教育分野における10日間の「心理実習」を履修した学部生32名が提出した課題レポートのうち,「公認心理師を目指す者としての自身の長所および課題」に関する記述を分析対象とし,KH Coder を用いたテキストマイニング分析を行った。対応分析およびKWIC コンコーダンスによる分析の結果,小学校の支援実践型実習では,「注意」「適切」「児童生徒」といった語が多く抽出され,児童生徒への関わり方や自身の対応の妥当性をめぐる試行錯誤が示された。中学校の支援実践型実習では,「会話」「関係」「情報」などの語が多く,生徒との関係性や情報共有に着目した学びが特徴であった。適応指導教室の支援実践型実習では,「支援」「要支援者」「理解」が抽出され,支援対象の位置づけや支援者としての自己理解に関する記述が多く認められた。一方,中学・高校における見学実習では,「緊張」「関わる」「自身」といった語が特徴的であり,直接的な支援実践を伴わない実習体験を通じて,実習生が自己を内省的に捉える様相が認められた。以上より,「心理実習」における学生の学びは,実習形態および実習機関の違いによって体験や意識の
され方が異なり,実習後の振り返りを含めた指導の重要性が示された。