本研究は,高校通級指導におけるソーシャルスキルトレーニング(SST)の効果を,ソーシャルスキルと自尊感情の変化から検証したものである。高校通級指導に参加した高校3年生9名を対象に,面接練習や1分間スピーチを中心とする全8回のプログラムを実施し,事前・事後で質問紙調査を行った。その結果,「関係開始・維持スキル」と「自尊感情」は有意に向上し,中程度の効果量が認められた。一方,「問題回避・解決スキル」には有意な変化はみられなかった。成果の背景には,専門家と教員の協働体制や,成功体験を積み重ねる支援構造があると考えられた。今後の課題として,対象者数の少なさ,統制群の不在,自己評価尺度のみの使用が挙げられ,多面的評価や複数校での検証,効果の持続性の検討が必要である。