水谷幸恵、櫻井忠義
競技スポーツ活動における辛苦体験及び克服要因についての心的指標を作成し、辛苦体験克服に向けた競技者の在り方と指導者の役割を考察した。
競技スポーツにおける辛苦体験は6因子、克服要因は5因子で構成され、辛苦体験の程度が強いほど克服可能性が低く、克服推進要因が多いほど克服可能性が高まる傾向がみられた。
辛苦体験を克服体験としてゆくためには、良好な人間関係を構築し、肯定的思考を獲得してゆく選手自身の持つ立ち直りの力と、技術指導に加え、選手ひとりひとりに目を向けて、部内の人間関係を調整しながら、選手の気持ちを理解し、支援してゆく指導者の役割が重要であるといえた。