水谷幸恵、Christofer Bullsmith
生活習慣を改善する行動変容によって人々の well-being を促進するニュージーランドの取り組みに焦点をあて、日本における適用可能性について検討した。これを適用するにあたり、日本の健康事象を把握するための一例としてニュージーランドの若年成人期女性との国際比較を行ったところ、日本の若年成人期女性の身体活動の少なさや低体重および体重コントロールの背景にある不十分な栄養摂取等の生活習慣の変容が必要な状況がみられた。
予防医療の観点を重視し、医薬品の介入が優先される方針から処方の視野を広げ、日常生活の根本にある問題に目を向けてその行動変容をサポートしこれを管理することは、社会集団の健康的な生活文化を醸成する効果的な方針といえるため、健康への包括的アプローチとして長期的に有用な、生活習慣改善のための行動変容の「処方箋」を提供するニュージーランドの取り組みを日本に適用することが期待される。