本論文では2004年から2023年の20年間にベルリン芸術祭テアタートレッフェンに選出された作品の調査を通して現代ドイツ語圏における演劇の傾向を分析し、共同製作によって生み出された舞台芸術作品の事例に着目しながら、そのドラマトゥルギーの特徴を明らかにした。分析の結果、ドイツ語圏の演劇では従来通りレパートリー型の公立劇場が単館で作品を製作することが多数を占める一方で、近年では個人やグループのアーティストからなるカンパニーが劇場やフェスティバルと共同製作を行う製作形態が増加していることが明らかになった。