創作プロセスとドラマトゥルギーの変容に関する研究─1990年代以降のドイツ語圏および日本における事例を中心に─
東京藝術大学課程博士学位論文
1990年代以降の舞台芸術作品におけるドラマトゥルギーの変容を、その創作プロセスの変化を分析することを通して解き明かすことを目的とした。1990年代以降の舞台芸術作品におけるドラマトゥルギーの変容に関しては、これまで演劇理論的な記述は多く行われてきたが、この変容は創作環境の変化などに伴い、従来の演出家を中心とした父権的な創作プロセスの時代から、集団的な創作プロセスの時代へと変わりつつあることに大きな要因があることをテーゼとし、複数の事例研究から分析を行った。