絵画における美術解剖学的研究ー「騎馬図巻」についてー
文化女子大学紀要 服装学・生活造形学研究
第36集
我国、鎌倉時代ごろの作と言われる「騎馬図鑑」(馬の博物館蔵)を目近に観察し、調査する機会を得たので、人物の装束や、扶助、馬装、歩方・姿勢・行動や表情、その他について美術解剖学的に観察した。その結果、同時代ごろ政策の「随身庭騎絵巻」に比較して、やや粗い表現に見受けられる本作の中にも、ある程度の写実性が見て取れた。