死者に捧げる詩の言葉――フィリップ・ジャコテの場合――
拓殖大学言語文化研究所『語学研究』
「抒情の危機」といわれる1960-70年代における抒情詩のありかたについて発表した。おもに現代詩人フィリップ・ジャコテの「喪の詩」を、フランス詩における死者にささげられた詩作品の歴史的文脈に置きつつ分析することで、ジャコテの詩学の特徴を明らかにした。死者を死者の国で永遠化せずに、死そのものを直視し続ける姿勢を、「いま、ここ」を重視する現代における抒情詩の新しいありかたと結び付けた。