La prosaïsation du vers dans les sonnets de Philippe Jaccottet
学習院大学文学部『研究年報60輯』
現代詩人フィリップ・ジャコテは初期作品でソネ(ソネット)を頻繁に用いている。本論考では、その詩型を韻律と文体の観点から分析し、現代詩において定型を用いる意味を探った。伝統的な詩型のなかに見られる「散文への意思」を明らかにし、中期以降の詩作品に見られる「散文性」の萌芽がすでに彼の初期の詩作品に見いだせることを示した。フランス現代詩において、詩における散文性とは非常に重要なテーマであり、ジャコテはその先駆けであることも示すことが出来た。