Philippe Jaccottet et le haïku
学習院大学文学部『研究年報61輯』
本論考では、まずジャコテによる俳句の受容をフランスにおける俳句受容史のなかで検討し、そして俳句が彼にどのような影響を与えたのかを検討した。彼の日記によって明らかになったのは、「直接的な世界の経験」を書くことの不可能性にさいなまれ断筆している最中に、俳句と出会い、それが再び筆をとるきっかけとなったことである。彼の俳句受容は決して単なる異国趣味ではなく、むしろ、俳句はジャコテの詩学と響きあうものであったと示すことが出来た。