中近世移行期における土豪の土地所有と村落―近江国坂田郡井戸村氏を事例として―
『歴史学研究』
第745号
戦後歴史学のなかで、太閤検地の画期性を証明するとされた近江国坂田郡箕浦の井戸村氏を事例に、太閤検地で否定されたと捉えられてきた土豪の土地所有が、江戸時代を通じて継承されていたことを解明し、太閤検地の意義を再検討するとともに、寛永期以降の小百姓の自立化を、経営の安定化に伴う小農自立状況として理解した。