戦国時代大名領国下において、村や地域社会の軍事活動を主導していた土豪に注目し、彼らが大名の戦争に参加していく契機や背景を検証し、その行動が彼らの居住村・居住地域にとってどのように作用したのかについて検討した。土豪は、村が抱える他村との用益紛争を軍事的に主導していたことから、その軍事力をもって村の「平和」を維持することを村の百姓たちから役割として求められていたこと、そしてそれは軍勢の数を確保したい大名にとっても必要とされた役割であった。そのため、村の地域防衛に資するために出陣した土豪は、その後戦国大名の戦争にも動員されることとなるが、一方で、村は土豪に参戦させた上で、村は村の論理で有利な方に味方するという行動をみせることもあり、土豪と村との間も必ずしも一枚岩ではなかったことを明らかにした。