戦国期における紛争裁定と惣国一揆―甲賀郡中惣を事例に―
『日本史研究』
第482号
近江国の甲賀郡中惣を事例に、惣国一揆が同名中同士の紛争解決を担うなかで、複数の同名中の連合による地域的な紛争解決組織が形成されたこと、またその連合が対外的な危機に際して惣国一揆へと結実したことを指摘し、惣国一揆を領域内に存在した地域の「公」権力として、戦国大名と同質の権力と位置づけた。