発達に偏りをもつ男児への関わりで来談した母親-性教育をテーマとしたカウンセリング-
日本女子大学西生田生涯学習センター
心理相談室紀要第6巻
本研究は、軽度発達障害のある男子児童の性的問題行動について相談に来た母親の面接経過を記した事例研究である。面接開始当初は、性的行動を問題行動として厳しく禁じた母親であったが、本児に対する戸惑いや受け止めたい気持ちを面接の中で整理する過程で、次第に本児の成長や性的発達を受け入れられるようになった。人を傷つけない方法で性衝動を処理するにはどうしたらよいかという青年期男子の発達課題として母子で考えられるようになり、問題行動の解消とともに面接を終了した。