里親養育に関する文献的考察―国内外の里親研究の動向から―
日本コミュニティ心理学会
コミュニティ心理学研究第12巻2号
里親養育に関する既存の心理学的知見を整理するため、1996年~2006年までの欧米の心理学的な里親研究と国内の里親研究を整理した。日本では、心理学的研究が少なく(6件)、福祉学的研究は多かった(133件)。これは日本の里親制度が発展途上にあり、欧米の制度や知見を取り入れる段階にあるためだと考えた。欧米の知見は、日本の里子理解にもある程度役立てられる。しかし国や地域により里子の背景も異なり、地域資源や専門家の位置づけも異なる。そこで地域に根差した里親養育支援の方向性を探ることを今後の課題とした。