筆者の行う臨床心理行政論の授業が、女子大学生の地域コミュニティに対する態度に及ぼす影響を質問紙で調べた。授業では、教育・医療・福祉・司法各領域の心理業務を事例や制度的枠組み、映像を通して具体的に伝えた。また各領域で学生が参加できるボランティアとその意義を紹介し、受講者が自らの役割を検討できるようにした。調査の結果、授業後は、地域への愛着得点や、地域活動への意欲得点が有意に高まり、最も身近に感じる地域として、居住地域を選ぶ学生が有意に増えた。したがって授業が、受講者の地域コミュニティへの態度に影響を与えたといえる。
共同研究につき担当分抽出不可能。筆者は調査および執筆全般を担当。