学術論文

基本情報

氏名 栗田 秀法
氏名(カナ) クリタ ヒデノリ
氏名(英語) Hidenori Kurita
所属 大学 文学部 人文
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

ジャック=ルイ・ダヴィッドの「歴史画」と悲劇(二)

単著、共著の別

単著

年月日

2025/03/15

発行所等

人文学フォーラム(跡見学園女子大学)

出版社

巻・号

23

開始ページ

43

終了ページ

56

査読の有無

概要

本稿では、18世紀フランス絵画における歴史画、特に「あわれみとおそれ」を喚起する出来事の描写に焦点を当て、その変遷と代表的な画家たちの作品を考察する。18世紀前半の歴史画は安息感を与えるものが主流であったが、1747年の歴史画コンクールを機に復興の動きが見られ、フラゴナールやダヴィッドといった画家たちが「あわれみとおそれ」を喚起する作品を制作した 。   
フラゴナールの《カリロエを救うために自らを生贄に捧げる大祭司コレシュス》では、登場人物のポーズなどにベルニーニの彫刻からの影響が見られるという指摘がある一方で、ミケランジェロの彫刻も着想源となっている可能性を示唆した。   
ダヴィッドの《ホラティウス兄弟の誓い》は、登場人物の表情にラオコーン群像との類似性を指摘し、構図や人物配置を工夫することで、コルネイユの悲劇に内包される愛国心と家族愛の葛藤という「あわれみとおそれ」を強く喚起する作品に仕上がっている ことを指摘した。