プッサンのシンクレティズムについての覚え書き
跡見学園女子大学文学部紀要
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本稿は、ニコラ・プッサン作品におけるシンクレティズム(習合主義)的表現を検討した研究である。《アドニスを嘆くウェヌス》では、アドニスとキリストの死と復活の類比に注目し、異教神話とキリスト教図像の結びつきを論じる。《受胎告知》では、聖母マリアの胡坐という特異な姿勢に着目し、キルヒャーの図像学やイシス=叡智像との関連を検討することで、マリアを「叡智の座」として再解釈する。これにより、プッサンが古代異教とキリスト教を統合する思想的・図像的体系を構築していたことを明らかにしている。