『都市空間を編む言語景観』
ロング,ダニエル、中井精一監修・著;李舜炯編・著;李貞姫、今村圭介、孫美貞、斎藤敬太、李賢貞、李承珉、磯野英治、甲賀真広著
(分 担)第1部 第5章 pp.121-146
ブラジル人集住地域に見られる言語景観について「公的表示」「私的表示」という観点で区別したうえで、それぞれの「採用言語」「言語数と組み合わせ」、そして「店名や商品名」についてはさらに区別してその「採用言語」について分析した。その結果、公的表示と私的表示共に英語志向の傾向が見られること、公的表示は2言語表示、私的表示では1言語表示が多いことなどが明らかになった。また、私的表示では英語の他にフランス語やイタリア語などが装飾的表示として用いられていた。店名や商品名については少数言語などを含めた数多くの言語が採用されているものの、各都市において英語が最も多く採用されていることが明らかとなった。また、「外国人が外国人のために発信する外国語表示」にも装飾的表示の存在が確認された。