本稿では、多文化共生の町として知られる静岡県浜松市において、外国人住民支援機関に加え、外国人住民、日本人住民に聞き取り調査を行うことにより、外国人住民の言語環境や日本人住民との交流の現状について考えた。その結果、①教え方にそれぞれ特色のある日本語教室があり、また地域日本語教育以外にも様々な言語面でのサポートが用意されていること、②ブラジル人住民には日本語学習の重要性を認識しつつも、日本語教室で学べる日本語が自らのニーズに合っていないと感じている者がいること、③近年はブラジル人以外の外国人住民の増加により、従来のブラジル人コミュニティに変化が起こりつつあること、④当事者が積極的に関与しない場合は、外国人住民と日本人住民との交流はあまりないということ、が明らかとなった。