(共著者)ロング,ダニエル、斎藤敬太
伊豆大島方言に関する①伊豆大島で撮影した言語景観、②大島方言ネイティブの地元研究家が作成した方言辞典などからデータを収集し、③大島方言に関する文献を参考に仮説を立て、④地元の大島方言話者から聞き取り調査を行い仮設を検証した。
それらの結果、大島方言は東海東山方言に属しながらも、関東方言や東北方言で用いる「~べ」を勧誘に限定して用いたり(関東では推量にも用いるが大島では勧誘のみ、推量は東海東山の「~ずら」)、東北方言にみられるような音変化を持ちながらも東北方言のようなシラビーム的な音韻構造ではなくモーラ的な構造であることなどが確認され、コイネー的特徴を有することが明らかとなった。