日系ブラジル人集住地域である群馬県大泉町と三重県伊賀市の言語環境と言語使用について、言語環境は言語景観・多言語サービス・観光の観点から、言語使用はリンガフランカに着目して調査・分析した。その結果、言語環境については、大泉町は言語景観・多言語サービス・観光のどの点においてもポルトガル語に重点を置く「ポルトガル語重視型環境」、伊賀市は言語景観では外国語表示があまりなく、ある場合はポルトガル語のみでなく英語や中国語、スペイン語などと併記し、多言語サービスはポルトガル語以外の言語でも充実しており、観光においては日本色をテーマにする「日本語・多言語並行型環境」であると言えることが明らかとなった。言語使用については大泉町ではポルトガル語、伊賀市では日本語がリンガフランカとして機能していることを示すことが出来た。