北海道の言語景観にみられる方言とアイヌ語の使用―地域活性化に役立てられる文化的観光資源―
『コミュニケーション文化』
跡見学園女子大学文学部コミュニケーション文化学科
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北海道を観光すると、方言やアイヌ語を含めた看板や表示が目に付く。言語本来の機能は情報を伝えることだと考えると、このようによそから訪れた人に向かって通じないことばをわざわざ使うのは違和感を覚えるかもしれない。しかし、これをあえて使うのは、地域の独自性をアピールするためという見方ができる。本稿ではこのように北海道独特なことば(北海道方言やアイヌ語)がどのように地域活性化を目指した文化的観光資源として活用されているかを探っていきたい。