2023年度の北海道の在留外国人数(56,485人)は、コロナ禍の2021年度の数からの増加率が55.6%増で、全国一高い。在留資格として多いのは主に「特定技能」(8,303人)や「技能実習」(14,157人)であり、雇用などの関係上、他の在留資格よりも地元の日本語母語話者との接触の機会が多い。北海道では地域差はあるものの、老若男女問わず方言が話される一方で、方言意識は薄い。本稿では、このような北海道方言に見られる特徴を考えつつ、北海道で暮らす日本語非母語話者が方言に遭遇する可能性の一例として「言語景観」(=看板・ポスター類)に見られる北海道方言を取り上げることで、最終的には彼らの方言問題を軽減するツール(方言理解支援ツール)の開発につなげたい。