本稿では北海道旭川市という一つの自治体内に存在する社会教育施設で見られる言語景観から、子ども向け言語景観を対象に収集することで、子どもを読み手に想定した場合にどのような工夫を行っているかを考察した。その結果、「I. 表記」…「Ia. 漢字の不使用」「Ib. 分かち書き」「Ic. ふりがなの付加」、「II. 普通体の使用」、「III. 文型・表現」…「IIIa. 「~(よ)う」「~てみる」の使用」「IIIb. 口語的表現の使用」「IIIc. 終助詞の使用」…「IIIc①「~よ」「~ね」の使用」「IIIc②「~な」の使用」、「IV.内容の単純化」という現象が確認できた。さらに、①展示内容が子どもには難しいと思われる施設の場合、子ども向け言語景観が見られないこと、②同一施設内でも展示内容の対象とする年齢層の違いによってその工夫を変えていること、③子ども向け言語景観と外国人住民向け日本語表記には共通点があり、区別が難しいものもあるが、使用語彙や設置場所の背景などから推測することが可能であること、についても明らかとなった。