「ボーイズラブ」ジャンル形成期における「マンガ・アニメファン」雑誌の言説
『人間学研究』中部人間学会
第19号
本論文では、現在では女性のオタク文化の一つとみなされている「ボーイズラブ」のファンが、ジャンル形成期のメディア言説空間において「オタク化」していく過程とその問題を、メディアとジェンダー研究の視点から考察した。男性同士の恋愛関係や性愛の場面を女性が好むことに対する、ジェンダー規範や性規範の問題がメディア言説の背景にあり、もともとはとくに問題視されない趣味とみなされていたものが、旧来的な規範から逸脱していると位置づけられ問題化される様子、また言説の時系列的変化を明らかにした。