マスメディアが映し出す〈やおい〉の姿――言説分析による
『論争クィア』クィア学会
Vol.3
1990年代までの日本の大手新聞と雑誌とにおける「やおい(ボーイズラブ作品やボーイズラブジャンルの別称)」に対する報道記事の言説分析をおこなった。1990年代初頭までは既存のジェンダー意識を解体しセクシュアリティを問い直すものとして評価されていた「やおい」が、男性オタクやコミックマーケットへのネガティヴな報道が高まるに従い、やがて若い女性の性的・社会的な現実逃避の対象としてとらえられていく過程を明らかにした。