ケース理解を問う ―因果論への疑問―
家庭裁判所調査官研修所
第47号
非行事件の少年,あるいは家事事件の当事者を支援する家庭裁判所調査官が,調査報告に際し,直線的因果論による説明に固執することの弊害を検討した。過去に注目した直線的因果論的説明に拘泥する結果,少年事件における処遇や予後,家事事件における解決は,説明との連続性を欠く。複眼的視点を持ち,システムを全体として把握することの必要性について,検討した。